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「りゅうおうのおしごと!」15巻特典小冊子はずっと銀子ちゃんを愛でているだけの時間だった

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りゅうおうのおしごと!15【小冊子収録版】 (GA文庫)

 …などと供述する感想はタイトルくらいにしかかけない。読む順番が「本編→小冊子」になるのだから最初にコレがきても仕方ないよね? 著者当人も「本編から隔離したことで封印を解いた」くらい書いてる内容なので仕方ないね。

 本編は…不穏で衝撃的、かつメインで動いていた二人がいなくなったことで周りがより積極的に動き始めるラストからどうなるかと思っていたけど意外となんかいつものノリであれっと思ったり安心したり。八一とあいがここまで完全に別行動になるのは本編初だと思いはするけど決断の早い二人が動いた感じです。

 しかし読み始めて出足から距離が近い。今回はそういう話。

 仕事を絡めて言い訳を用意して逃げ道をなくしつつ囲っていく供御飯さんと真正面から財力で殴って自分色に染めてく天ちゃんに同時に詰められてく竜王って構図になってて見てるこっちは面白い…これが二面打ちかただ流されてるだけではないのか…でも最後の最後に流されなかったのはメンタル強いな八一って思いました。本当にロリコンなのかのもしれないあいつ。供御飯さんは終盤まで行ってしまったけど天ちゃんはまだ序盤っぽいから次巻が本番かもしれないですね。

 また本編で「棋書の執筆」をメインに当ててるのも珍しく面白かった。将棋の専門書…みたいなものって理解で良いんだろうか。担当編集も専門家(さらにそのなかでもトップクラス)なわけで捗るだろうなこれ…

 将棋のような勝負事を書いた作品だと、どうしても「勝負の強さ」にフォーカスが当たることが多いように思いますが、今回はその強さとは別の仕事や生き方、価値観にもスポットライトが当たって噛み合っているところがほんと良かった。純粋な将棋の強さとは別の指標があるような。

 今回だと「考えをまとめてアウトプットする能力」みたいなところ。八一だけでは絶対ムリだったうなってところがまたね。知識をまとめて形にするのは思ったより大変で…専門的なものとまで言うと大仰だけど、たとえば趣味でも好きなものでも説明したり文にまとめたりするのってやっぱりすんなりとはいかないんですよ。

 一方であいちゃんのほうは、「女流棋士」としての生き方みたいなところにフォーカスがあたっててこっちもまた良い。あいちゃんサイドもまた、純粋な強さだけの話ではなくて、仕事としての女流棋士とか、また女性特有の体調の話とかが女流棋士の視点から語られてるのも面白かったです。こちらも「将棋の強さ」だけではない、全てひっくるめた生き様の話でもあって。「全部手に入れる」って決めた人は強いですね。でも最後はなかなかダイナミックな対戦になってしまった…体調不良でピンチと思ったら更に上を行く体調不良とは…その大変さは俺にはわからないからなんともいえない…

 で、ザッピングしながら進んできた八一とあいちゃんのストーリーがぶつかるのが第五譜の章。ここまで本編を読んできた人には分かる、タイトル扉絵の時点ですでに熱い予感しかしない。供御飯さんが八一の影響から本来の自分の打ち筋を解放していくようなところも、「名人は自分の打ち筋や考えを広めることで結果的に自分有利な展開になっていた」と語っていた布石の回収も、八一から離れることでより客観的に明らかにされたあいの暴力的な異常性も全部混ざって全部熱い。それに「勝負事が時の運」ってことを体現してるような作品でもあるし、1戦単位ではどう転ぶのかわからない。

 第五譜から最後までは…勝負後の展開も含めて一気に読み切る感じです…読み終わってみたらすごく恋愛してましたな今回。本文中のテーマでもあった「(ソフトが導き出して)詰みだと思ったところは実は詰んでいない」って話に引っ掛けているような感じも受けて。

 そして15巻のラストも本文の意を組んだようなイラストで締める姉弟子、この作品本当に挿絵までセットでひとつになっているの素晴らしい。14巻が逆の意味でイラストのパワーを使ってたからそれと対比しちゃうところある。

 物語としてはまだまだ続きそうな16巻目は…どうなるのかなあ。感想戦と呼ばれる次回予告でまた爆弾を落としていくスタイルだし。それはいわゆる死亡フラグなんじゃがどう…どうするんじゃ…?

 それからね。今巻は女流棋士:鹿路庭たまよんがメインだったのもよかったよ。一見ゆるふわで頭の切れる毒舌系女子大生だもん。よくないわけがない。りゅうおうのおしごと!」って群像劇っぽいところがあって、登場人物を切り替えることで八一やあいちゃんでは見えないところを視点にして話せるから強い。あいちゃんがめっちゃ共感してたのは草。ある意味で5・6歳程度の年の差は、大人になったら大したことでもなくなるモデルケースでもあるのかもしれないからな。


悪役令嬢(予定)ルートを抜けて冒険者を目指そう!「転生令嬢は冒険者を志す」3巻まで【マンガ感想】

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転生令嬢は冒険者を志す 1 (FLOS COMIC)

 転生令嬢…前世の記憶とともに悪役令嬢に転生したことを悟る子ども時代から始まり、バッドエンドの運命に抗うために冒険者を目指していくセレフィー始まりの1巻。

 聖獣ルーを拾ったり(小説では)未来の皇帝からプロポーズを受けたり、学園に入学しつつ冒険者としても認められたりとむしろ順調(?)に主人公ルートを歩いているようにすら見えててほほえましい。ロマンスもありつつ少年漫画的に未来を切り開こうとするセレフィーの強さが楽しい巻です。

転生令嬢は冒険者を志す 2 (FLOS COMIC)

 そして小説主人公・マリベルと遭遇する運命の2巻。物語世界に転生するとよくある強制力、当人たちからとってすれば運命の呪いみたいなものですね…この強制力がどこまで働くのかは作品によってまちまちですけれど、そこも話に大きく関わってくる部分。

 学園に入学して女の子同士でお茶会してたりする学園サイドと冒険者として活動する冒険者サイドの2段構えになっていて、両方がうまくつながっている感じもいいですね。

 能力値的には規格外の位置づけになってるセレフィーちゃんだけど努力してきたと笑顔で言える真っ直ぐさはただのチートじゃ得られない輝きですよ。

転生令嬢は冒険者を志す 3 (FLOS COMIC)

 日常である学園に帰ってくる3巻。まあよかった…表紙もようやく(?)令嬢っぽくてかわいい巻。収録されているお茶会エピソードにも絡んでドレスなんだろうかな。

 運命の強制力やマリベルの主人公補正がどれくらいのものかはまだ謎のままですけれど、それらが明かされるにはまだ早い…世界観的にも割と厳しいこともちらっと出てきて、主人公(令嬢)の視点から全部見えているわけではない厳しさみたいなものが感じられて面白いです。(しかしよくよく思えば前世小説での悪役令嬢ルート、婚約破棄で追放されてから敵国に拾われ生物兵器扱いで最後処刑っぽいから全然穏当な世界ではなかったな…)

 セレフィーたちの立場からではマリベルはただの侵入者なので、マリベル側の状況が全く見えないところも不気味に思えますね。小説主人公なんだけどな…

 みたいな2巻の後日談的なところを終えて学園に帰ってきてドMが一人増えた「お茶会」と呼ばれた修行したりとほほえましい日常が戻ってきた(ほほえましい)。しかし女を捨てて騎士に生きるみたいなこともなく、女性は女性のままで騎士になることに意味があるような視点は良いなと思います。「男と同じことできるなら男でいい」ってのはそういうことだよなあ。

 またセレフィーが小説物語から大きく外れたように、小説では敵国となっていたギレンもだいぶ印象違っているように思えるからそちらがどう動いていくか今後の気になるところです。あの人も登場人物枠ではあるんだけど強制力でどうこうって性格でもなさそうだし、逆にセレフィーの理解者にまでなりそうって気はするんですよね…次巻はそんな彼が話の中心になりそうなので楽しみですよ。

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最強執事がお嬢様の破滅回避していたらラブコメになっていた「悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます」3巻まで【マンガ感想】

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悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 転生先が乙女ゲーの世界だったシリルが悪役令嬢ソフィアお嬢様の執事になって破滅フラグをブチ折っていく…のかと思ったらそれはだいたい1話で終わって別の意味で雲行きが怪しくなるラブコメ。傍から見ていてシリル、どう考えても惚れてまうでしょわざとやってるのかおまえ。

 乙女ゲーのシナリオ的にお嬢様と一緒に処刑される立場だった執事のシリルが自分の実を守るためにお嬢様を悪役令嬢落ちさせない…ってのはよくわかるのだけど、そういう事情で「大切に思ってるけど恋愛感情はない」ってポジションに立ってるから話がこじれるんだよなあ…(仕事で関わる主人に対しては至極真っ当な態度ですけど)

 それで王子に嫉妬する悪役令嬢ルートからは外れたものの、ソフィアお嬢様の性質そのものが大きく変わっているわけではなく闇落ちの矛先がシリルに向くか向かないのか…

 またシリルがフラグ回避に尽力した結果、闇落ちせずまっすぐ気高く育ったソフィアもむしろ正統派ヒロインの貫禄があります。ありますがたまに年相応のやきもち焼いてるのかわいい。それもまた良い。

悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 2巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 お嬢様から好意を向けられて困るような顔してたシリルくんおまえ絶対わざとやってるだろな2巻。制服のお披露目で口を寄せて囁くとかおまえ…おまえ…

 舞台が学園に移ってゲームの主要人物も揃ってきている2巻。裏社会に接触したり庶民派(平民の派閥)と選民派(貴族中心の派閥)がどろどろしてきたりして作品の方向もわかってくるようですね。学園内派閥と政治闘争と…あんまりわかってない12歳の第二王子と。(冷静に考えるとこの人達小学6年生なんだよ)

悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 3巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 その第二王子が引っ掻き回していく3巻…年相応っちゃそうですよ…むしろ他の登場人物が難しいことしてんなあって感じにもなるね…そういう面でちょっとかわいそう。でも取り巻きを諌めないと誤解は生むしね…

 それからぽよぽよしてるだけに見えてたアリシアの鋭い一面とかめげない感じとか、ヒロイン力がどんどん上がる巻。でもなんだかんだソフィアお嬢様と仲良さそうにしてるところは、原作乙女ゲーの悪役令嬢ルートとはもう別れてるんだろうとは思えるところ。

 …といっても破滅するのは原作ルートだけじゃない、むしろそこから外れても貴族社会だから普通に破滅するのかって感じも出てきましたね。うーん第二王子…

 またソフィアお嬢様の闇落ちが性格ではなく病気(感情のコントロールが難しくなる症状)だったりもして、シリルがきちんと一線をひこうとするのはビジネスマンとしては正しい。正しいけど最後に絶対わざとやってるだろお前… 天然か…? 天然なのか…?

 見ようによってはシリルがずっとソフィアお嬢様とアリシアお嬢様をたぶらかし続けてるラブコメなんでもうそれだけで大丈夫かなって思いたくなるのですけど、身分とか階級とかどろどろしたものが絡んできて裏の読み合いがスパイスにもなっててラブでコメっているだけでは済まない世界でもあり、どう乗り切るかが気になっていく話です。4巻目はどうなるのかねこの終わり方…

お人好し英雄が僻地の領主でスローライフ…?「領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~」1〜6巻【マンガ感想】

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領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 1 (アース・スターコミックス)

 「気は優しくて力持ち」を地で行く英雄・ディアスが辺境の地に放り出されて領民ゼロスタートから領地を発展させていく領地経営もの…ではあるのですが 本当に身一つで放り出されるので領地…いや村づくりスタートと言ったほうが正しいように思うくらい発展がゆるやか。領地経営ものと言ってよいかすらちょっと怪しい。主人公が筋骨隆々のおっさんなところも珍しいですね。

 ゆっくり人口が増えていく村のスローライフを楽しんでいる感じのほうがしっくりきます。領地経営ものってチートが入って急速に発展することが多いように思いますが、ディアスは転生者でもない普通の力自慢(ただし「力自慢」の部分は普通ではない)。むしろ考えることは苦手な部類。

 1巻目はそんなディアスが草原の遊牧民・鬼人族と出会って村づくりがスタートする巻。 鬼人族の娘アルナーが ツン → デレ → 結婚即落ち3コマみたいな巻でもあります。いや戦士のしてのディアスは規格外を通り越していて、 男気 (だいたい文字通りの意味)を示すには十分すぎたのがいけない…

 政治的な面倒事や駆け引きも少しあったりしそうだけど全く意に介さないあたりも戦士らしいといえばそう。しかし流石に、ほんと身一つで放り出すような手配のされ方をしていて、それが知られてないってのは正直、組織としての管理能力を疑うレベルだとは思いましたけれどね…どれだけうまく横領したらそうなるんだ…

 あとメーアがかわいい。何あのふわふわしたいきもの。え、一緒に寝るの嫌がるやつおる?

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 2 (アース・スターコミックス)

 元部下のクラウスさんや12人のお婆さんたち、親を失った双子のセナイとアイハンも合流してゆるやかに人が増えていく巻。隣の領主エルダンとの交流で、人間と亜人(アルナーたちなど人種族以外のもの)の確執が明かされてもいきまして。村の外は平和じゃないなあ…と思いながら読んでた。

 戦や盗賊などが普通にある世界ですけれど、そっち方面は むしろディアス一人で戦力過多みたいなところがあるし、アルナーやクラウスも並以上だしと全く心配がない。

 老婆と子どもがメンバーに入るし、まんまカエル人間のペイジンといった亜人の幅が広いことも示されているし、内も外も世界観が広がっていって良いなと思いました。

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 3 (アース・スターコミックス)

 畑をつくろう回。双子の素性と能力がちょっと明かされて、この土地がすこし特殊なものらしい雰囲気も出たりもしています。遊牧民が隠れ住んでいるからいわくつきなだけじゃなかった。大人が気づいてないような不思議なことを子どもが感じとっていて、でもうまく伝わらず謎っぽくなるところ好き。話を聞いているのも新しく加わった大耳飛び鼠人族(いわゆるネズミ)のエイナで、微妙に情報が全員に伝わらない感じもまた良い塩梅。

 またお酒と相談の話とか、アルナーとの距離が巻を追うごとに少しつづ縮まっているようなところも良いなあと思ってみてます。

 でも作中時間で考えるとたぶんまだ *数ヶ月くらいしか経ってないんだろうからなあ…早めに冬の準備を、と話すような段階だし。

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 4 (アース・スターコミックス)

 イッヌがめっちゃ増えた。戦力増強。普通の犬でも猟犬など訓練次第で強くなると思うのだけど、犬よりの亜人だから言葉も通じる。強くないわけがない…

 そして領地の外できな臭かった火種から攻め込まれる(しかも王国側に)ことになるのだけど、 落ち着いて真正面から受けて立つあたり英雄の貫禄がありますね。まあ戦争の結果は 王国側の人望なさすぎて「えぇ…」って感じでもあるけど。

 この作品、作画がしっかりしているからかスローライフ時ののんびりコミカルなところと戦場時の臨場感に落差がすごくて、普段はほんと「お人好しでマッチョなおっさん」くらいのディアスが戦場だと鬼のような活躍見せるところが震えますね。 強すぎてすぐ終わるけど

 また兵士だった頃のディアスのエピソードも語られたり、王族からの信頼が厚いような話も出てきたりと…今も昔もあまり変わらず一本芯のある男だったことがわかります。 怒らせると怖いことも、 権力で制御が効かないことも。

 ただ王子の語り口で信頼の厚さを語られるほどに、やっぱり初手草原に放り出されるって一体どうしたらそうなってしまうのかますます不思議になりますね…でもディアス一人じゃなかったらアルナーたちとの出会い方も違っていたろうし、今のようにはならなかったろうとは思うけど。

 あとは斧といい杖といい…ディアス自身にも何かしらの能力があるのかと思わせる巻。後に出てくる両親の立場とかも関係してくるのかもなあとも。

 領地の中ではスローライフ、しかしその領地が外から見たら無視できないものにもなってきていて面白くなっていくところです。クラウスお幸せに。(盛り上がって周囲が目に入ってない二人を外から遠巻きに見てる感じだしてるのが草)

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 5【電子書店共通特典イラスト付】 (アース・スターコミックス)

 出だしから謎の行動を取るメーア。子どもとか動物とかだけ「わかってる」感を出してくるのはオカルト的にもなんか良いよね。ホラーとは違った不思議さがあるし。この土地に何かある感じも出てきていますね。

 全般的にはコミカルスローライフ回。行商人のペイジン(弟)もリアクション芸人化していくな…アルナーのサービスカットにはディアスもついてくるのほんと草。この漫画、カバー裏とかもそうなんだけどマッチョもセットでついてくるの何なの。 仲良し夫婦なの? (そうです)

 夫婦といえばクラウスとカニスの結婚式もあって、皆で祝うところは良い村の結婚式だなあ…と。一目惚れから数ヶ月くらい…だろうからだいぶ電撃結婚だなとは思ったけどめでたいね。結婚前からカニスに頭上がらない感はあるけどね。

 ここでディアスが聖句を唱え(神父さんが式で述べるようなもの)たりと珍しい一面もあって、それも後に登場する伯父さんから両親の立場を知らされて納得する。戦場でも同じように聖句を述べていたとのことだから、普段の落ち着いた物腰とあわせてどことなく聖人っぽい貫禄があるように思われてたんだろうなとも思いますよ。そのうえで敵には無双の強さを振るうわけだから、そりゃ一緒に戦った傭兵とかからも一目置かれる。

 ディアスが昔に世話していた孤児たちと、旅にでていたベン叔父さんが一緒にやってきたりと、「草原に放り出される前」のディアスが少しだけ見えてくる話でもありました。

 それでもちょくちょくネタを挟んでくるところが草生えるけど。 ここはまさに世紀末かな? (いろいろ混ざってる気はする)

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 6【電子書店共通特典イラスト付】 (アース・スターコミックス)

 スローライフしている領地の外、王都や敵国などでは謀略や陰謀が渦巻いていることも物語としては説明せねばならんのだろうが たぶん耐えられなくなって画面下がバカンスになってるの草。難しい話が画面黒くなる上に退屈なのはわかるが こういう解決方法は初めてみたかもしれん…まさかの発想ですよ。

 そんで見どころは メーアの大合唱かな…知能高い…人の言葉を理解するくらい賢い動物って話だけど、歌でコミュニケーションをとってリーダー選びとか何をしているんだろう…終わった後ディアスのフォローもまた完璧に泣かせる。こういうところなんだよなあ。

 アルナーの兄貴ゾルグも村にやってきてなんだかんだあった後に また無自覚にドラゴン殺す。もしかしてドラゴン普通に殺せる? って勘違いしそうになるね。手こずりはしたけど。

 兄貴は外の女の人に貢いで家計を傾けてたドクズ(ってアルナーの認識)らしいがそれを除けば優秀らしくて、今後も重要人物になってきそうですね。「貢いで逃げられた女の人」が実際どうだったのかはちょっと気になるけど。馬鹿な話って笑われる類のものではあるが、なんかそれだけじゃなさそうかなともね。なさそうだといいなあ。「魔力のことで俺を馬鹿にしないでいてくれたのは アルナーとあの女だけだったんだがなぁ…」って兄貴のセリフがせつなすぎて。

 兄貴はアルナーが心配で乗り込んでくるしアルナーも兄貴を嫌いきれなくて専用の弓を用意してたりと、すれ違いつつも思いやっているあたりもまたせつない。

 アルナーの性格だと表立って態度を変えることはないかなと思うけど…いや割とちょろいしな…でもドラゴン殺しでもだめだったからな…(ディアスがいるから比較がおかしくなってるのかもしれんが…)兄貴に幸あれ。

 最後に謎のメーアが現れて(ディアスが混乱して固まってるのすき)この土地の謎がますます深まり、また渡されたアイテムも貴重そうなうえに次巻への引きが珍しく不穏…どうなるんでしょうねこれ…

※DMMブックスでは2021/12/31まで1巻無料のようです! もし気になったらまず1巻だけでも!

Kindleも今だとPrime読み放題対象のようですので、Prime会員の方は是非!

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ぐだぐだしてないほうのコンビじゃん…「帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline」1〜3巻【マンガ感想】

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帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline(1) (角川コミックス・エース)

 FGOでおなじみぐだぐだコンビが送る… いや完全にシリアスで別物、戦時中の帝都を舞台としたFateとは別世界の聖杯戦争

※注意:この先には登場サーヴァントのネタバレが含まれる場合があります! だいたいお察しみたいな感じですが! いいですね!

 戦国の英雄から幕末の壬生浪まで召喚された英霊が魔術と陰謀渦巻く程度を駆ける、オカルト時代劇になっています。 そうかアレこうなるんだ…

 また主人公が現代からタイムスリップした少年、赤城奏丈ってのも良い。原作(?)で型月パロみたいになってたところは雰囲気を残しつつオリジナルに翻案されて、さらに異物として現代からの新マスター。型月作品でタイムスリップ的な巻き込まれ方をしているものもないと思うので、そういう面でも楽しみです。(でも「時間旅行」は魔法の類…だったと思うし、実際過去に飛んでいるのかはわからないけど…)

 過去に飛んだ主人公が、その時代に存命な肉親に引っ張られて協力して、この聖杯戦争を乗り切っていくことになるのか。って展開も熱いです。まだ若い藤宮九十九に祖母の面影が垣間見えるあたりも結構ぐっとくる。言ってること同じじゃんみたいなところとかね。こういうの良いよね。

 しかしメインキャストが戦国大名新選組隊士ときたら昭和なのに血風録が始まってしまう勢いで殺陣がすごい。というか名乗りの最中に斬るとかギャグでしかなかったのに凄みしか感じない。 それでいて凛としている沖田さん。シリアス全振りするとこうなるのか…信長公もちんまい少女の姿で魔王の貫禄を出しているしどうなっているんだ。

 話の進み方は今のところだいたい元ネタに沿ってるような感じではあって、一緒に読み返すと同じセリフなんかも出てきていますが、(主に絵柄と展開の迫力で)全く別の印象受けるところも面白いです。

 ただ隠されてる真名はすでに知っていてわかってしまうから「誰なんだー()」ってなってしまうところ、Fateとしては残念です。これは100%自分の責任ですけど。むしろ知らないほうが楽しめる、ってのはFateシリーズお約束。

帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline(2) (角川コミックス・エース)

 坂本さん! 坂本さんじゃないですか!(棒)

 土佐の人斬りと新選組隊士が猛威を振るう第2巻。帽子を頭に乗っけてるのも似合いますね。この前のイベントのいい感じのスーツも似合ってたけど。洒落た感じの洋装似合うんだよなあこの人。

 本編はそんな呑気なこと言ってる場合ではなく、冗談抜きで九十九はピンチだしアサシンはセイバーで通じるくらいの刀さばきだし。あのぐだぐだしている面影はどこいった…奏丈が想いを込めて令呪を使うシーンがクライマックスですよ。あれもギャグ回みたいなものだったんだけど同じセリフ同じ展開でこうも変わるのか。改めて見てもすごい…

 帝国陸軍側ではワカメが陰湿に動いているところ、またワカメっぽくていいですね。このまま行くと面白いことになるんだけど。どうなるのかなこのワカメ。

帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline(3) (角川コミックス・エース)

 坂本さん! 坂本さんじゃないですか!(2回め)

 このへんでもしかして分岐が始まってるのかな? ってちょっと思わせる感じ。あとFGO帝都イベントを思い出す。坂本さんだいたいそういう感じだよね。お竜さんも。

 セイバーのまっすぐさとそれに奏丈が素性を明かして理解を得ていくところ、また九十九は魔術師としてサポートしていくような関係性、ちょっとstay nightのセイバー、士郎、凛を思い出してしまいますね。ちょうどサーヴァント、一般人、魔術師の少女って組み合わだし。意識してるのかな。強気でしたたかで気を張ってるところまんま凛ぽいなと思ったりもする。九十九ルートはないだろうけど…むしろあったらやばいな、どうこじれてしまうのか見てみたい気もするが(時間軸的に)

 そう考えるとワカメに虐げられてるアーチャーのマスター(おとなしめな美少女)もあの子の境遇と重なりますし、重なるとするともしかしてやばい子なのかな…?ってわくわくがとまらないですね。そうはならんか。多分。

 それはそれとして、未来から来ている奏丈の視点で語られている内容がすでに現実とずれているあたり、時間逆行なのかそれとも別のなにかなのか…砂時計の魔術礼装もいずれ明らかにされるのだろうと思いますけど、タイムスリップもので「知ってることと違う」ってズレが発生していくのはやはりわくわくしていきます。知ってるはずなのに知らないところに踏み込んでいく感じがいいです。

 最後にはランサー老師とマスター(?)の影もあり(サーヴァントの配置は今のところ変わらないっぽいね)、続々キャストが揃っていくRedLine。先がわかるようでわからない展開だから早く続刊読みたいです。

作中では、セイバー召喚の媒体として使われたのは帝都聖杯戦争をモチーフにしたラノベ(?)ってことだったけど、もしこれが投げ込まれてたらどうなってたんだろうな…?

 あと全然関係ないけど、作画している平野 稜二氏って鬼滅の刃外伝も書いていたのですね…以前みたことある、良い外伝だったと思います。なるほど時代劇…

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あけましておめでとうございます2022

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 あけましておめでとうございます!

 相変わらずプリコネとFGOとときどきジャンプチ。だいたい変わらぬまま1年が過ぎています。

 今年はとうとう月姫リメイクもリリースされたのだけど…ニンテンドースイッチがなくて積んでいる有様。どうしてそっちをって気持ちはわからなくもない。でも携帯機のほうが好きなんじゃもん…ゲーム機と呼べるのはすっかりスマホが主かもしれんですね…

 プリコネはいまのところ飽きないなあと思いながらやっています。周回にアリーナにと結構やること多いとは思うんだけど。スキップ多用できたり余計な時間かからないようにしてくれてるところとか、バトルがオートで見守るような感じ(組み合わせなどでほぼ結果が決まる)ところがなんかいい感じなのかなあと思ってます。バトルのテンポがいいのかもですね。ボスとかすごく見守ってる。組み合わせ考えたり攻略サイト参考にしたりするところにパズル要素がある感じなのかも。

 そういえば昨年12月より、マンガでもなんでも1冊読んだら記事にするまで次の本に手を付けないようにしよう…と思ってやってみたら 見事にマンガすら積まれていきました…人類には早すぎた法なのかもしれない…

 ただ、1日に何冊も読んでいたときより疲れなくなったかもとは思いまして。読んだ本のことを考える時間は増えた気がするし、もうしばらく続けてみようかなと思ってます。。

 でも1巻から全部振り返るようなのはちょっと考えたほうがいいかもしれないなあとは…前からずっと読んでて5巻6巻まできているシリーズとかも多いですし。まとめておきたい性分なんですけどもね。

 ペース的には1日1冊多くて2冊くらいになるか…実際には週に何冊かになるのかなあ。今の調子だと。読んだ後に30分〜1時間くらいとれるような気もしつつ、 そうはいかんのがつらいところ。まずは月10冊くらいできたらいいな。

 あとシリーズが続くにつれきつくなる(主に前巻までの)ネタバレどうするかって話については 気にしないことにしてこうかなと。シリーズものだからある程度は仕方ないべ。感想…になるとどうしても展開とかに触れますし。 推理小説のトリックと犯人は出さないようにはしますが (さすがにそれはひどい)。

 そういうわけで2022年もいろいろと…去年より活動していきたいと思っていますので、今年もよろしくお願いいたします。

(という話を駆け込みでなんとか元旦に書いている有様)

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(あ、はい…)

転生先の迷宮国をチームプレイで切り抜ける「世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~」5巻まで【マンガ感想】

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世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 1 (MFC)

 バス事故で転生した先は迷宮国ーースキルや職業がある世界で、後部有人(アリヒト)が書いた(選んだ)職業が「後衛(?)」。ファンタジーゲームのような世界に現実で死亡した転生者が二度目の生を受けパーティを組んで攻略していく物語になります。

 主人公が社会人くらいの年齢でそのまま転生してきて、後衛職を選ぶあたりが結構珍しくて。職業のスキルもいささか規格外っぽいのですけど、面白さのキモはそちらではなく有人の立ち回り方かもと思います。

 前に立つより後ろからサポートしつつ指示を出していくリーダー型。スキルは(最初としては)強力なものだけど、自分に対しては効果が発揮されなくて先に進むにはパーティメンバーが絶対必要。

 1巻目はまだ序盤も序盤で、有人や五十嵐さんがバス事故で迷宮国に転生したてで冒険が始まるところから。チュートリアル編みたいな感じですね。

 でも油断したら死ぬくらいに魔物は強力で…それと対峙した有人が迷宮国の現実を知って…いやリーダーとしてパーティメンバーを守っていく覚悟を決めていくようになります。むしろよく気持ちを切り替えられた…って思ったくらい。ザコっぽい魔物でも簡単に大木をへし折ったりするから、それを目の当たりにして対処できるのはなかなか。初見殺しだと思うなアレ。

 また五十嵐さんとの確執も早めに解けてよかったなとも。転生先まで鬼上司がついてまわるのは勘弁って気持ちわかりみしかないですけど…そういうのが抜きになってよかったよ。

 1巻は昔に感想書いてたのでよかったらこちらもどうぞ。

tsundoku-diary.scriptlife.jp

世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 2 (MFC)

 パーティメンバーが一気に増えますね!

 五十嵐さんとテレジアと一緒に迷宮探索に向かう2日目。と思ったらミサキを助けるためにスズナ、エリーティアと協力してまた「名前付き」の魔物と戦うことに…

 エリーティアは本当はもっと上の区にいるようなレベルで、事情があって8番区まで降りてきているためこの区画としては無敵といえるレベルです。発動する能力も狂戦士化ツインテ金髪美少女が狂気に呑まれて振るう魔剣で魔物を一掃する…これめちゃくちゃカッコいいやつ…!スキル発動からこっちめっちゃ好きです。

 ただ「名前付き」の特性とは相性最悪で、レベルだけではどうしようもないのも迷宮国。厳しい…暴走していてもわずかに正気が残っているようなエリーティアとスズナのやりとりからパーティ加入までがまた良くて、2巻の主人公は間違いなくこの二人ですよ。

 また巻の終わりで傭兵だったテレジアも正式加入し、亜人から戻せる「かもしれない」方法もほのめかされます。これが当面の目標になっていきますが、2日で2巻だからなあ…だいぶ遠いような (貢献度ポイントも異常な速さで獲得してるからそういう意味では遠くないかもしれんが…)

 そして2巻目でギャンブラー・ミサキが加入。この子いるとめっちゃ賑やかになりますね。主人公の有人も含めて、登場人物は結構落ち着いてる感じだから見ていて楽しい。

世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 3 (MFC)

 大人二人がアリヒトくん取り合ってる横でひたすら食ってるテレジアが草

 4番区の話やエリーティアのスキルに事情、ミサキとスズナも含めて改めて正式にパーティ加入などにぎやかになってく巻。でもまだ転生してから三日目なんだよなあ。時間の感覚がおかしくなる…

 メンバーも増えたことでスキルを連携させていく場面も出てきて、より戦闘の幅が広がっていきます。また士気開放(士気が貯まると使える超必殺技みたいなもの)が出来るようになり8番区の探索がまたひとつ進む。最初に出てくる士気開放が補助や特殊技能みたいなものなところも、この物語に多種多様なスキルと、それを使う人がいることを感じさせます。逆に システム作るの大変だろうとか作る側目線でも思っちゃう… 「ギャンブラー」「巫女」って書いたらそれにふさわしいスキル生やすわけでしょ…? どんだけ用意するの…? みたいな。

 そこからアクシデントなどいろいろあって やっぱり格上と戦うことになるのはもう様式美ですかね… このパーティ毎日格上と戦ってんな…むしろよく生き残れてる…有人の支援スキルが破格であることと、でも 自分は対象にならないって弱点がピンチを呼んでて待て次巻!

世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 4 (MFC)

 秘神・アリアドネの登場によって迷宮国と探索者の謎がすこし明らかになる4巻。有人らしい神との対話がぐっときますね。

 前巻からのバトルは士気開放とチームプレイで切り抜けて、隠しダンジョンの更にその奥へ。五十嵐さんとテレジアの士気開放も強力な支援型で、戦闘も力押しだけじゃない面白さがありますね。

 そして絶対重要な何かがある感じしかしないこの展開。神と自称しているけれど自信なさげ、いや自己評価の低いアリアドネはあまり(イメージとして)神様らしくないなとも思えてしまう。「創造主に作られた」ものでもあるし、「神」と呼ばれている意思ある存在ってだけかもしれないですね。

 この出会いは戦力としてももちろん、心情的にも重要で。有人の回想を挟んでのコミュニケーションはすごく「らしい」と思うーーもしかしたらアリアドネ自身にとっても救いなんじゃないだろうかとすら。ほんとそういうところが有人らしい。「こういう話はとことんやる」って誰にでもできることじゃないし、人柄がよく現れてると思います。

 彼女(?)の力が示されるのはもう少し先になると思いますが、この出会いと選択がよかったものだと言えるようになっていく予感しかしないですね。

 あと演出として、巫女であるスズナがさりげなく恭しい態度をとっているところも好き。おまけ17.5話がスズナとミサキの過去回だったりもするしいい巻です。

世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 5 (MFC)

 街に戻ってきた有人たちと8番区序列一位の探索者パーティ「北極星(ポーラスター)」との交流、それから7番区への昇格試験。変にこじれるでもなく、良いライバルパーティであるところがいいと思います。エリーがベテランのサブリーダーみたいに思えたのも良かった。抱えている事情があるけど、今はそれだけじゃなくてパーティとしてどうしていきたいかっていうね。

 しかしそれで昇格試験が始まる直前に街を巻き込む大きなトラブルがきて、パーティの矜持が試されるような展開に。有人たちも北極星も全く退かないから格好いい。熱い展開ですよ。真っ先に攻撃に回る北極星と、守りを固める有人たちとで性格出てるなとも思えますね。

 このトラブルは8番区での総決算みたいなところもあり、魔物解体所のライカートンさんやメリッサ、傭兵斡旋所のレイラさん、箱屋のファルマも参戦してくるなど街を上げての対処に当たります。大きいイッヌつよい…シオンの活躍もここから始まる。

 おそらくこの決着が8番区での最後の冒険になるだろうと思われる展開、それだけの大規模な戦闘と見せ場が楽しいです。「主人公が蹴散らす」だけじゃない、機転を効かせたチームプレイが見どころなのも面白い。

 そしてやっぱり いいところで次巻となるわけですが、とてもね、今度はどうなるんだろう有人。今までのボス戦もピンチの連続でしたが、支援防御でなんとか乗り切ってきた面があるけれど…あれも無敵防御ではないんだよな。

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時間逆行した姫は王子の未来を覆すことができるか…?「ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」9巻【小説感想】

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ティアムーン帝国物語9~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~【電子書籍限定書き下ろしSS付き】 ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~

 革命によって断頭台の露と消えたミーア姫が過去に戻って断頭台を回避するため未来を変えるやり直しストーリー第9巻、サンクランド王国編完結。「ミーア皇女伝」(もはや予言の書)に示された、シオン王子が毒殺される未来を変えることが出来るのか…

 政略と家族の問題が絡んで複雑にみえた話でどうなるかと思っていましたがなんとか完結。ミーア姫が何をしても周囲の勘違いで奇跡的にうまく話が転がっていく(そして本人がどんどん後に引けなくなる)ところがこの作品の面白いところですけど、それにしても今回は出だしが毒殺と物騒なものでしたし。途中で予想外…いやもともとの予言よりもっとまずい展開になりそうだったりとして、ほんとどう転がるかはわからない感じでした。

 騒動のメインとなっていたシオンとその弟エシャールも、(後日談的エピソード見てると)こう収まるところに収まってる感があって。王族の毒殺みたいな話そのものよりその後の収め方がなんかこの作品らしいなあとも思いました。身内より規律を重視することは王族の価値観としては正しいかもしれないけど、それに真っ向から「家族が大切」と言えるティオーナ嬢があの場にいたことが全員にとって幸運だったんでしょう。

 この小説、話の軸になっている「今」の時間軸とミーア姫が処刑された「以前」の時間軸の描画、さらに「今」より未来っぽいエピソードが断片的に混在する時間軸のザッピングみたいな状況が入ってくるから、今この行動が「すごく先の未来で幸せになってる」ことに繋がるところまでわかってほっこりするんですよね。だから「辺境伯」の番外編は好き。シオン王子ビターエンドみたいになってたもんな…(しかし結構な時間がかかってるなあ…とも思ったけれど、よく考えたらミーア12歳に戻ってきているわけだから、学園の他のメンバーも同じくらいの年齢だものね)

 シオンとティオーナはリプレイ前の世界で革命を主導した二人(つまりミーアの頭を断頭台に載せた二人)だったからずっと距離を置かれていたのだけど、そこもちょっと救われた感じがありました。気持ちはわかるが今世の二人はまだ何もしてないし、そうなる様子ももうないから苦手意識持たれてるのはかわいそうって思ってはいたんですよね。

 しかしミーア姫は相変わらず、大国の王族相手でも物怖じしないし頭の回転は早いし有能な部下or他人にすべてを任せるし名より実を取るしわからないことはわからないと言うし自分の気持ちに真っ直ぐだし、 もしかして飛び抜けて有能なのでは…?と錯覚しそうになります。いやむしろ リーダーとして有能なのにぽんこつかわいいと認識させる地の文が有能なのかもしれない…弄り倒されてるもんなあ… 地の文と心の声が聞こえない周囲の人間が心酔するのもわかるよ。「帝国の叡智」と呼ばれるにふさわしい実績もどんどん上がってしまっているしな…

 次巻から新章・騎馬王国編とのことでまた新しい国。学園内で収まらずいろんな地方、国を巡ることになるところも楽しいシリーズですね。

 またドラマCD付き特装版も同時発売しています。物理は公式ストア限定みたいですね。

tobooks.shop-pro.jp

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 ただBOOK☆WALKERではドラマCD付き9巻も販売しているようです。音源はダウンロードみたい。

bookwalker.jp

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やばいところほどうまい飯がある…? 危険すぎる食レポ漫画「鍋に弾丸を受けながら」1巻【マンガ感想】

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鍋に弾丸を受けながら 1 (カドカワデジタルコミックス)

 「不思議だ 危険な場所にほど美味いものがある」から始まる、原作者・青木潤太朗氏によるハードボイルド食レポ漫画。たしかに各地の食べ物を扱っている…のだけど、 絡んでくるエピソードの「日常の風景だが一歩間違えばアウト」感が 世界の裏側をみてるような気持ちになってきます。 「この漫画は 基本的にノンフィクションです。作中に登場する人物、場所、料理等はすべて実在します」の注意書き そっちかよってつっこみたくなりますね…(普通、漫画作品用に話を調整したりして「フィクションです」って言う方かと思ったら)

 でも 出てくる料理はめちゃくちゃうまそう。それから登場する人たちも良い人ばかりで「危険地帯」って呼ぶことに抵抗が出てくる。しかし何事もなかったからそうなんだろうなあって気持ちも…

2018年3月・メキシコ「マフィアの拷問焼き」

 のっけからこれですよ…聞いたことすらない物騒な料理名が出てきた。「マフィアの拷問焼き(ロモアールトラボ)」。メキシカンマフィアの処刑法をなぞった料理らしい。肉を布に包んで丸焼きにすると、ステーキのピンク身の部分がたっぷりできあがる。マジか…

 日本だと「ロモ・アル・トラポ(牛塊肉のタオル包み)」で検索引っかかってくるので、こちらのほうが一般的なのかもしれないです。名前も物騒じゃないし。イメージ的にはローストビーフみたいな感じなのかなあって思うのだけど、著者の感想としてはステーキ肉のほうみたい。

 そしてこの料理を現地の人達と、マフィアの抗争で荒廃した第二サンマルコス村で、湖に沈んだ第一サンマルコス村に思いを馳せながら食す…ただ地元の人らが集まって、肉料理を振る舞っているだけの話です。しかしなんともいえない味がある。

 「普通は日本人こんなとこに来ない 怖がって」と言われ「怖くないですよ 同じ人間じゃないですか」ってさらっと返せるから、この漫画原作ができるんだろうとは思いました。

 またコラムによると2021年現在、ピカチョス湖と第三サンマルコス村はレイクリゾートとして成功しているようです。このエピソードを読んでからそんなこと補足されたら行ってみたくなりますよね。( 釣り人にはもともと有名なポイントなのかな。青木氏も釣りが趣味で世界中を回っているようですし)

2017年冬・シカゴ「イタリアンビーフ

 冬のシカゴでイタリアン・ビーフ・サンドイッチ絶対ヤバそう。カロリーが。でも 絶対美味いやつでしょ…

 そして肉の量もすごいが…俺はこのエルフさんの雰囲気がものすごく出ててすごいと思ったよ…めちゃくちゃマッチしている…

 アメリカン・ギャル(に見えている)ロブさんに案内されて行った先のマスターがエルフさん。異世界感がある…シカゴはイタリアン・マフィアの本場らしい。イタリアン・マフィアは映画「ゴッド・ファーザー」などが有名ですね。つまりそういう方向です。「鍵は忘れても銃は忘れないところにいくつもりなんだな…!」って心のツッコミがたのしい(他人事)

 さてこのイタリアン・ビーフ。代用調理法(エルフさんによると80%程度の再現度)も記載されていますが、「薄切り牛肉から出た肉汁でしゃぶしゃぶしてパンに挟んだらパンごと肉汁ダイブ」って感じの肉漬けうまそう…うまそうだが追加でコレステロールのお薬でそう…!

 当然肉汁がぼたぼたするから食べるためのスタイルもあるようです。この料理がやばい。

 日本で食えるところはないのか…って思うのですが、チェーン店やファーストフード店では全く心当たりないし…日本で出店しようとしたところ手が汚れるから駄目だったみたいなことも書いてあって、あー…って思ったりも。絶対ベタベタになるから…

 サンドイッチの本体は パンではなく肉。この「サンドイッチ工学」を収めたイタリアンビーフを食すには、やはり作るしかないのか…

2016年冬・ブラジル「オレンジジュース」

 「私には "私が初めての場所に遠出すると漫画家が捕まる"というジンクスがある」から始まるエピソード ちょっとまってほしい。えぇ…

 さておきブラジル・アマゾナスでイケメンお金持ち釣り名人のロドリゴさんとフルーツジュース。二次元の過剰摂取で壊れた脳を通してみてもイケメン美女になっているあたり、当人は相当イケメンなんでしょう…「大丈夫ですよ いっぱいありますよ」芸人になってるあたりは草。

 フルーツジュースは表題のオレンジに入る前にアバカシ(パイナップル)ジュースから。この時点で次元が違う。どうもギリギリまで完熟させたパイナップルがとんでもないみたい。パイナップルは木からちぎると追熟しなくなるとのことだから、輸入品では味わえないものになっているそう。 もう物理的に現地でしか無理なものが出てきた

 次いで出てくるオレンジジュースも「元になっているオレンジ自体はそのまま食べてもおいしくない」ところがポイントで、だからこそジュースにすると異次元のうまさになると。これも…現地なのかなあ。

 そして今回はそんなに危ない感じがしない。「いまや"大自然アマゾン"は正直 超快適に滞在できる」とナレーションがはいるくらい。 といっていたらクロコダイルさんがスゥーっとくるのだけど、現地だと小さいのはノラネコみたいな扱いで草。でかいやつも「ちょっと危ない」って笑うロドリゴさんからすると、自然との距離を知っていればそう危険なことはないのかもしれないと思わせられます。

 このエピソードで登場する人間は青木氏とロドリゴさんの二人だけ。クロコダイルを「ちょっと危ない」って笑うロドリゴさんが、「ここは何も心配ない 人間がいないからね! あなたと私だけ!」とジュンターロ(青木氏)に告げるところでは、「危険地帯」の意味を少し考えたりもしました。

2016年冬・ブラジル「豚足(ハム)のファビュラ風」

 引き続きブラジル滞在。釣り名人、マリオザンさんも合流。前半はアウトドアで焼き魚料理、後半で表題の豚足(ハム)が登場。豚足と聞くとつま先がついてる足のイメージがあるけど、ちょっと違う感じですね。

 まず昼はフィッシングと焼き魚。「昼は必ずちゃんとゆっくりとる」ブラジルの文化もいいなあ。ブラジルすごく平和だ。しかし魚の値段…地域によって希少性が違うからとかなんだろうか流石に…

 夜はファビュラ(スラム街)での豚足(ハム)焼き。見ていると日本で売っているハムのイメージではなくむしろステーキみたいな、肉の輪切りっぽい感じがする…昼は魚で夜は肉。うまそう…

 マリオザンさんの「好きなこと(釣り)をして生きる」と決めた話、そういう意味で同士だと思っているところはすごくうらやましさを感じます。その思い切りに。普段めちゃくちゃざっくりカットして翻訳してくれるロドゴスがちゃんと全文伝えてくれてるあたり、大事な話なんだろうと。

 昼から夜、そして空港での別れと著者の感じていた「サウダージ」が伝わってくるような、おだやかな回だったと思います。(「サウダージ」って聞くとポルノグラフティの名曲を連想してしまううえに途中からずっとループするまである回)

 「生きてる魚は死んでいる魚より価値がある」、これはコラムまで読んでなるほどと思いました。子どもの頃に釣りをしていたとき、「キャッチ&リリース」ってブラックバスとか逃していたこともあったけど、さすがにここまでは考えてなかった。そんなことも思い出す。

2017年初夏・アメリカ・コロンビアリバー「エルビス・サンドイッチ」

 水上保安官の取り調べから始まる回。ブラジルは平和だったのに。いや別に何かやらかしたわけではないので、やりとりは穏やか。ただこのあたりでギャングが「よくないもの」を取引しているって話をきいて、先ほど「釣れない場所」に止まっていたボートが頭をよぎる。その先の追求はしていない…

 アメリカ人はフレンドリーにコミュニケーションとってくるのがデフォってイメージあったのだけど、「銃社会だから"ちょっとしたケンカが"が簡単に殺し合いになるので"私達は仲間ですよね"を大事にしている」って著者の考察で印象が変わりもしました。人見知りのデビッドでもお節介にみえるようなコミュニケーションを取らないといけないように。親切心で声をかけている面ももちろんあるだろうけど。人が怖がるのは「知らないこと/人」だから、それが暴力的リスクに直結してると大変ってことなのかもしれない…

 そして 食べ物そのものがリスク* のカロリー爆弾「エルビス・サンドイッチ」。イタリアンビーフがかわいく思えるエネルギーの塊…

 パンを割ってバターを塗ってピーナッツバターとブルーベリージャムを塗ってバナナの輪切りを敷き詰めてカリカリベーコン山盛りサンド。そして揚げる。最後に砂糖をまぶす。甘いのをしょっぱいので挟んで揚げて食す。絶対やばい。ジャムにベーコンかあ…とはちょっと思ったけど、でもするすると入っちゃいそうだよなあ。(コラムで「籠もり仕事をしているときに作って食べたらその日の晩はウルトラ胸焼けに襲われた」ってあって、ああなるほどとも思った)

 最後はブラ・ヒル(ブラジャーが吊るされた橋)の景色で締め。何かの比喩でもなくそのままの。「胸をブラで押さえつけると乳がんになりやすいから外そう」ってムーブメントが90年代に流行った頃の名残だとか。検索しても出てこないし、地元ローカルの俗称なんだろうかね。

???年・アメリカ・シカゴ「ブレックファースト・バーガー」

 筆者がまだ20代のころ、初めてのアメリカ、初めてのシカゴでホテルに向かう回。ぼったくりタクシーを途中下車して夜道を1時間歩き、深夜早朝のガランとしたファーストフード店で腹ごしらえ。何事もなくてよかったとしかいえないやつ。ロブさんにも「絶対に 次にそういうことがあったら素直にすぐ金を払うんだ」とマジな顔で言われるくらい。

 でも多分ここで食べたブレックファースト・バーガーとクラッシュオレンジジュースはずっと忘れられないでしょうね…

二次元の過剰摂取

 とまあ、各エピソードが濃すぎるのですがもうひとつ面白いのが 登場人物全員美少女な点。徹底的に美少女。

いや、おっさん趣味を美少女にやらせるとか、美少女擬人化みたいな設定は今日日珍しくないことですが、

ーー私の脳は
長年に亘る
二次元の過剰摂取で
壊れてしまっている

だから
私の五感を通して
観測するこの世界は

基本的に美少女しかいない
(「鍋に弾丸を受けながら」1巻より)

流石にこの語りはそうそうない

 おじさんの顔がアニメ絵の美少女に置き換わっていく変換過程が描写されてるのも面白いですね。あぁ…って妙な説得力が有る。

 人間の認識はその人にしかわからんのだ…

ミシディア図書館を抜けて、次の目的地はゴールドソーサー! FF異世界転生「FINAL FANTASY LOST STRANGER 」8巻【マンガ感想】

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FINAL FANTASY LOST STRANGER 8巻 (デジタル版ガンガンコミックスSUPER)

 トラック事故に巻き込まれたスクエニ社員・佐々木正吾と妹の夕子。気がつくとFFの世界…によく似ている(?)異世界に。そのままFF世界冒険するのかと思ったら1話で鬱展開ぶっこんでこられて 原作者の名前見てから妙に納得するところまでがセットです俺的には。

 それで妹の敵をとり、蘇生魔法(レイズ)を探すためやってきた魔導大国ミシディアでメーガス三姉妹と戦い、ミシディア図書館で時空の歪んだ幻想図書館に迷い込み…ときて幻想図書館編完結の8巻。おっさんに刺さるFFワードが多すぎる。(でも子供の頃の記憶だからあまり覚えてないのも事実なんだよな…)

 ショーゴのもっている「ライブラ」の新しい力が、モノの説明だけじゃなくてその「想い」も読み取り、新しいアイテムに合成するサポート系のスキルであるところが面白いです。直接強い力じゃないけどそういうの好き。ライブラもFFマニアのショーゴだからかなあって感じだったけど。(余談だけどゲームでライブラを使った覚えはほとんどなくて…ゲーム上では影の薄い魔法だったと思うけど、実際存在してたらすごい便利な魔法ですよね。ってライブラの評価も変わるシリーズ)

 アルスとグー先輩も謎を多く残しつつお別れしたりとか、戻ってきたミシディアでの情報屋の態度がまた謎を呼んだりとか、なにもかもわかったわけじゃない終わり方ではあったけどゲームの序盤ってこういう感じだよなあとも思った。アルスはまたこれからもキーパーソンとして言及されていくのかなあ。「FF7」の世界(?)がこことは別にあるのか、また転生者はどれくらいの特殊事例なのか、気になるところが多い。

 また直前がミシディア王家とメーガス三姉妹とのイベントだったから、(薄々って感じではあったけど)そういう面でもアルスのストーリーはぐっとくる熱さがあったとも思いました。時空が歪んだ場所で過去と未来がごっちゃになるような、そういう話も好きなんじゃよ。

 ゴールドソーサーはFF7で出てきた街ですかね (スノボとバイクのミニゲームめっちゃやってた)。けど記憶にあるやつとだいぶ違う…ショーゴも驚いてるからたぶん名前が同じなだけの別の街なんでしょう。ビッグブリッジの上に立っているらしいし。ビッグブリッジだよ。どう考えてもギルガメッシュいるじゃない(わからんけど)。パーのほうがアイテムとしてさらっと出てきたり間違いなくわかってやっている感しかないです。

 またFFシリーズおなじみの技師・シドの名前も出てきてさらにテンションがあがる。シドはシリーズ名前だけ共通しているキャラなので、なるほど今回はこうかーみたいなところがあります。

 巨人橋(ビッグブリッジ)の上に立つ自由貿易都市ゴールドソーサー…絶対わくわくする予感しかしない街を舞台にどうなっていくのか楽しみですよ。

 シリーズとしての感想はファミコンスーファミでFF遊んでいた世代にめっちゃ刺さる。その頃の知識をなんとなく知っていたら楽しめるくらいの感じなので丁度いいです。世界観の雰囲気はFF14っぽいのかなあ。(種族とか装備とかなんとなく)

 あと絵がめっちゃ綺麗! 表紙でもそれがわかるのですが、途中にあるカラーイラストとかもすごく素敵。見開きで見たときはタブレットで良かった! って思いました。背景や風景が とても綺麗で、世界が生き生きと動いているようなところはまさにFFかもしれないです。(FFシリーズもゲームの映像表現にすごいこだわっているイメージが有る)

バトルの激しい乙女ゲー世界がここに「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」7巻【マンガ感想】

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乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 07 (ドラゴンコミックスエイジ)

 妹に攻略押し付けられていた女尊男卑の乙女ゲー世界に転生してきたらば攻略キャラでもなんでもないモブだったリオン、今ではすっかり主人公格に…

 前巻から続く公国の襲撃編ではアンジュを取り戻すため敵国の船に特攻かけるわ最強と謳われる黒騎士相手に立ち回るわ、 乙女ゲーのモブとは…?と疑問符が付き続けますよ。

 本来の主人公が通る道だったかもしれないことを先んじて取得しているところと、戦争パートや魔物との戦い、「冒険者」といったそもそも男子向けメーカーが作っていた設定が合わさった結果としてこうなってはいるのだろうけれど…「乙女ゲー」とついているが完全に少年漫画ですわ。

 ゲームの主人公(乙女ゲームだから女の子だね)だったリビアも力の片鱗を見せつつ、むしろヒロインとして話しに乗ってきてます。当初から普通に性格の良い子だったし。悪役令嬢ポジションだったアンジュもすっかり別の道を歩んでいて、もう元のシナリオとはぜんぜん違うところに来てますね。リオン、リビア、アンジュの3人が物語の中心になって動いている。

 リオンのひねくれ方は相変わらずだけどもそれが他の二人(+辛辣AIのルクシオン)とのバランスになっているかもしれんですね。

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ダンジョン外レイド戦の死闘完結!「ライブダンジョン!」8巻【マンガ感想】

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ライブダンジョン! 8 (ドラゴンコミックスエイジ)

 MMORPG『ライブダンジョン!』と似た世界にやってきたガチゲーマーの努がヒーラーとしてダンジョン攻略していくシリーズ第8巻。前巻から続くスタンピードに立ち向かっていく、ダンジョン外でのレイド戦になります。

 ダンジョン外では蘇生が効かないから死んだら終わりの状況で、大量のモンスターと竜種を下さないといけないため、今までの「死んでも復活できる」ってノリから大きく緊張感が変わる…いやツトムはあんまり変わらないように見えるところは強メンタルだよな…被害の大きさを実際に見たときも冷静そうで。

 ヒーラーが冷遇されていた状況から、ヒーラーのツトムが巻き返していくのが面白いシリーズですが、大規模戦闘であることもあってアタッカーが大活躍する場面が多かったです。あと貴族も。正直土壇場では逃げるのかと思ったら、矜持と責任感があるからああいった態度なのかともね。こういった場面がなかったらほんとにただのドラ息子で終わってたろうけれど。

 また最初にツトムを「幸運者(ラッキーボーイ)」と呼んだアルマとの因縁回でもあったのかもしれないですね。本人にそこまで悪気はなさそうに思えたけど、結果的にそれでツトムがひどい目にあっていたわけではある。でも当人がそこまで何かしたかっていうとそうでもないから、哀れな感じのほうが強いかな…むしろちゃんと立ち直ってほしいとすら。

 黒杖の真価が発揮される場面もあって、やっぱり元の持ち主が一番よく使えるのではと思わせるところも。最後は手元に戻ってくるのかなこの武器。

 「やっぱり レイド戦は苦手だ」で締められている今巻、戦果としては大勝利なんだけど、開始前から終了後まで、ツトム自身の気持ちには大きな影響与えているんだろうと思いました。

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英雄騎士が転生した深窓の令嬢、社交界デビュー!「剣とティアラとハイヒール~公爵令嬢には英雄の魂が宿る~」2巻【マンガ感想】

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剣とティアラとハイヒール~公爵令嬢には英雄の魂が宿る~@COMIC 第2巻 (コロナ・コミックス)

 「エリュゴールの災禍」と呼ばれる大戦から後、その大戦で命を落とした英雄・オルトゥスが公爵令嬢セレティナに転生して剣を取る英雄ファンタジー第2巻。セレティナ10歳のときに騎士を目指して人さらいと対峙した前巻から4年、公爵令嬢として社交界デビューとなりました。

 セレティナ14歳…普段の佇まいも大ぶりの剣で魔物に立ち向かう姿も美しいですね…母上(元腕利きの傭兵)も強い。ていうか護衛いらないのではってくらいつよい。セレティナの強さはオルトゥスの経験によるものだけど、それでも親子だなと思うような戦いっぷりでもあったり。

 今巻の時間軸だとオルトゥスが死んで14年くらいになるのかな。王様も存命で大戦当時は生まれていなかった王子・王女も生まれセレティナと同い年になっていたりもして。ちょっと未来で関わっている人たちがいるタイプの転生だと、全く知らないところに転生するよりも感慨深いですね。ただ王子のほうは美しい公爵令嬢としてセレティナを見てるから…セレティナが完全に親目線なのちょっと不憫だったりする。がんばれ。

 エリアノール王女は描き下ろしSSでセレティナに深く関わっていくようなことも書かれていて、今後気になるキャラですね。コミカルかわいいから重要人物としてよく登場するようになるとすごく楽しい。落ち着いている登場人物が多いのもあって余計かわいいのかも。

 それで華やかな舞台から魔女の登場、一転して事件になる王道展開で、1巻の最初のシーンに繋がってくんでしょうか。続刊が楽しみですよ。

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限界オタク悪役令嬢の悪党ロマン?「悪役令嬢は今日も華麗に暗躍する 追放後も推しのために悪党として支援します!」2巻【マンガ感想】

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悪役令嬢は今日も華麗に暗躍する 追放後も推しのために悪党として支援します! 2巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 プレイしていたソシャゲ「エモシオン・ファンタジー」の世界に悪役令嬢エルディアとして転生した限界オタクが推しキャラのために奮闘する…のだけれど、元のソシャゲに忠実にしようとしているあまり 悪役令嬢ムーブはそのままで影からストーリーに関与したり シナリオの舞台を整えたり…「悪役令嬢のその後」タイプですが、表に出ている振る舞いが悪役令嬢のままで根っこが善人の限界オタク、つまり 愉快なピカレスク風マンガみたいになってて面白いです。

 今巻だと違法カジノで見世物になっていた推しキャラの千草を救うための悪役令嬢ムーブが板につきすぎてて千草からむしろ疑われるレベル。また勇者と聖女のストーリーにつなげるためのマフィアとの会合も普通にしていて、完全にそっちの住人だよなあって感想も出てきます。そもそも未来予知といえるソシャゲ設定を知っているからといって、それに沿って投資したり技術革新を進めたりしてきているあたり普通に有能なんだよな…

 で、その悪党ムーブが似合いすぎる令嬢の顔と、素の 限界オタクっぷりがギャップしかなくてまたかわいい。登場人物に対する態度は完全に残念なオタクのそれなんだよな…推しキャラのアルバートにぐいぐい来られてても 反応がアレなのアルバートかわいそう。だが(見てるこっちは)それがいい…エルディアはアルバートたち推しキャラを現実の人物としてはもちろん認識しているのだけど、 大好きなゲームキャラが目の前にって気持ちが限界超えててやべーやつになってるの。

 そういう面でエルディア側からは登場人物に対して一線を引いてるところがあるからでアルバートくんがやきもきしてる。がんばれ。

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「魔王様、リトライ!R」4巻【マンガ感想】

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魔王様、リトライ!R(コミック) : 4 (モンスターコミックス)

 異世界に転生したら自分が作っていた「GAME」の魔王キャラになってて、無敵の能力と発生するカンチガイで無双していくような異世界魔王リトライ。タイトルに「R」がついていますが「魔王様、リトライ!」からそのまま続いている続編です。

 前巻の最後が現実世界での出来事で終わっていたので、そのあたりを掘り下げていくのかな…と思っていたのですがそんなことはなく普通に始まっていた。 むしろ現実側のほうが気になる気持ちもあるんだけどなアレは…無印1巻の描写だと、サ終してから転生している感じなのですが、そのとき外はどうなってたんだろう。

 それで今巻はゼノビア新王国から始まって魔族領の奴隷市と謎の神域がメインか。主人公の伯斗視点だけでなく、サブキャラの事情・視点が多めなところは結構いいですね。元姫様の追い詰められてる黒さとか…救われて仲間になる系の黒さだな…(わからんけど

 複数の国や領地でストーリーが進展していって登場人物がつながっていくようなものが好きなので、ゼノビア新王国→敵国の姫様の話題→奴隷市→ケールの襲来→いない間の奴隷市って話がポンポン繋がっていくのは良かった。

 最後に出てきた悪魔は強キャラっぽいのだけど、こっちで召喚された腹心の茜ちゃんもチート級ぽいしやっぱりな結果になるのかなあって予感はしている。伯斗も進行開始して次回決戦開始かな…?

 それはそれとして言葉遣いのネットミームから時代を感じてしまって、時事ネタ(?)を取り入れるのは危険だなっていう気持ちもしたりな…ネット小説ってそういうのがだいぶ残ってると思うから、時代の流れを感じることが多い…


「異世界転生騒動記」9巻【マンガ感想】

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異世界転生騒動記9 (アルファポリスCOMICS)

 主人公であるバルドの中に戦国武将・岡左内と現代高校生・岡雅晴の人格が入っててとんでもないことになってく騒動記。最初のうちは騒動記って感じだったけど最近は戦記と領地経営になりつつある気もします。もともと貴族社会が舞台だったからこうなるのも必然かもしれないですが。

 それでハウレリア王国からアントリム領への進行によりガチの戦争が勃発してる今巻。魔法に頼らない兵器で戦力差をひっくり返していき、一騎打ちでは武将人格の岡左内が活躍する布陣。 またとんでもない名声が上がるなあ…容赦なく兵士が消耗していく戦場が描かれてもいるし、あまりお気楽な感じではないけれど。

 続けざまに謀略や謀反も起こって戦続きのシリアスな展開が続きそうで下手するとクライマックスかな…って思ってしまいそうになるくらい。領地や戦争が絡んでくるとバルド一人の力ではどうにもならなくなることが多くなってくると思いますし、戦記物としてどう決着つけていくのか楽しみにしてます。

「追放悪役令嬢の旦那様」3巻【マンガ感想】

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追放悪役令嬢の旦那様 3 (ヤングアニマルコミックス)

 悪役令嬢追放もの…だけど少し変わってるのは、主人公が「旦那様役」でついていっている貴族の魔道具職人フラン。悪役令嬢お嬢様ラナは転生者。で、隣国でお嬢様が発案するチート魔道具を旦那がチートレベルの技術で実現しつづけ チームプレイで改革起こし続ける謎のコンビが爆誕。フランのほうはゲーム上に存在しないモブ(むしろ裏設定に近いか)だったみたいだけど、逆に裏設定だからご都合チート能力が備わってしまっていたわけですね…

 追放先の国で居場所をつくりつつも微妙な距離感(はやく結婚しろ)で暮らしてる二人なんですが、まあ平和だしいいのかなあ(はやく結婚しろ)。速攻で恋破れたロリアナ姉さまはすこし不憫。ただロリアナ姉さまのおかげで微妙にすれ違ってたような二人の関係も変わっていきそうで良かったのかもしれないですね (はやく結婚しろ)

 とうとう国家レベルで価値を揺るがしかねない魔道具をつくってしまうフラン&ラナコンビはどう考えても手放すべきではなかった二人なんですが、追放されなければ二人が揃って活躍することもなかったわけで。人生ままならないものですね。ただこのへん、冷遇されてた技術者と理解ある経営者が出会ってしまった結果みたいなところもあるからむしろ出てってよかった感しかなく追放元に同情感はない。すでにざまぁは達成されてる。

 一方で追放の大元になったアレファルド王子にリベンジみたいな話にもなってきているので、この結果が出てくるのは次巻みたいですけど楽しみ。いうて物騒なことにはならない雰囲気のマンガなので安心もしていますけど。追いざまぁされるの確定してるような引きだし…

「おっさん冒険者ケインの善行」8巻【マンガ感想】

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おっさん冒険者ケインの善行 8巻 (デジタル版ガンガンコミックスUP!)

 お人好しのおっさん冒険者ケインを中心に人の輪が広がってくほのぼのファンタジー第8巻。でも起こってる事件は結構陰惨なものもあって、ケインの器量が試されているのかもしれないと思うときもあります。

 今現在進行しているエルフの集落での問題も、ローリエ姫とアーヴィン族長の気持ちのすれ違いが根っこにあり、そこにつけこまれて大事件に発展してしまうところがつらみでしかなく。 むしろアーヴィンの気持ちのほうがわかるまであるんだよな…これ老いを感じるところなのかな…いやまあ多分、言い方だったり態度だったりと気持ちの示し方はきっと良くなかったんだとは思うよ…だから結果としてすれ違うのは仕方ない…仕方ないんだけどやるせない…

 少し前に出てきた将軍もだけど、 性根から悪い人間ってのが出てこないし、抱えてる心の隙を魔族につけこまれる構図になっているからつらい。大本が力で解決できないんですよね。(将軍は正体をしらないうち軍師を無邪気に信頼しているような節があって、それがまた)

 そしてケイン自身は特別大きな能力を持ってなくてただただ「良い人」なんだけど、そこだけはブレないから効いてくるんでしょうね。逆に大きな力を持っている人物だったらこうはいかないかもしれないところもあるし。ドワーフからもほぼ無条件で信頼されているようなところとか、「善者」とは言い得て妙よ。

 ただ今回のアーヴィンは、魔族側も前回(将軍のとき)を踏まえた対策を打ってきていて「善い人」だけでくぐり抜けられるのかどうか…だいたい今までも大きなピンチだったから大丈夫…なんかな。と思いつつ次巻を待つ感じです。

 このシリーズ1巻目最初は唐突なご都合展開で、あーと思いながら絵柄が好みだから読み続けていたのですが、巻を追うごとに「力だけでは解決できないことを大事にしている」ところが見えてきて面白くなってきています。アナ姫は割とひどいんだけどまあ…そういうところもおもしろかわいい。

「転生貴族、鑑定スキルで成り上がる ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~」6巻【マンガ感想】

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転生貴族、鑑定スキルで成り上がる ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~(6) (マガジンポケットコミックス)

 現代日本から弱小貴族に転生したアルスが鑑定眼スキルで有能な仲間を集めて成り上がっていく戦記譚6巻。参謀ミレーユさんも加入してますます知略タイプが増える。

 州内での跡目争いを領主の立場から見ていく戦記物だからら直接的な強さよりもどう立ち回るか、読者目線では知略的な面が強くなっていくように思いますね。そういう面で子供の頃から期待されてたロセル君も大活躍。視点を州外に向けるようなだいぶ大胆な案を出すようになったなとは…

 でもこの巻の見どころは、その策をうけてアルスと婚約者リシアの関係がまた進むところかなと。この展開に合わせたような表紙だし。ちょうどそのあたりで巻も終わっているし。いい終わり方です。リシア、野心パラメータが高くて策謀家のような描写もあったけどずっと一途だったから今回の区切りの付け方は良かったなと思います。

「冒険家になろう!~スキルボードでダンジョン攻略~」6巻【マンガ感想】

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冒険家になろう!~スキルボードでダンジョン攻略~(コミック) : 6 (モンスターコミックス)

 各地にダンジョンが出現した日本の北海道で、「スキルボード」を駆使して目立つ冒険者を目指す仮面さん…いや空星さんと仲間たちの冒険譚6巻。コミカルな雰囲気がありつつ「ダンジョンが発生して崩壊気味、だけどダンジョンによって成り立っている状態の現代日本」ってスパイスもあって面白いシリーズです。仮面さんは存在感しかないのに空星当人と紐付いてないんだよなあ…

 今巻ではまた新しいモンスター仲間・エスタ(虫、硬い)が増えてますます賑やかに。仮面さんの存在感もアップしてて草。正体を隠しているわけでもない、どころか目立ちたいとまで思っているのにこの有様なの隠密スキルってよほど強力なんだなって思いますね…その成長速度でトップランカーの時雨さんからも一目置かれる存在にになってるのに…時雨さんの表紙での存在感はすごいですね。この後もどんどん出てきてくれんかなって思うんだけど、空星視点だと北海道中心になるから難しいんかなあ。

 車庫ダンジョンで遭遇した大物の鹿モンスターも、その前フリから新宿ダンジョンに出てきたものと同類っぽいけどどうなのか…そうなら苦戦どころじゃないような戦いになるのかなとも思いますし、ピンチで終わる引きもどうなるか楽しみです。絵面的にだいぶアウトな気もするんだけど…

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